EUV露光機の製造は原子爆弾より難しい?

EUV露光機は28nm以下プロセッサーを製造するのに不可欠な重要設備である。EUVとはExtreme Ultra-violet の略語で、13.5nmの極端紫外線を利用して、高精密露光装置である。

プロセッサーの製造過程のシリコンウェハー(Silicon Wafer)

EUV露光機の製造メーカー大手のASMLが世界市場の65%を占めている。世界2位と3位が日本のニコンとキャノンになる。ASML製のEUV露光機の販売値段は1.54億ユーロ/台で、世界一高い製造設備になっている。

EUV露光機

ASML(ASML Holding N.V.)は、オランダ南部・フェルトホーフェンに本部を置く半導体製造装置メーカーである。半導体露光装置を販売する世界最大の会社で、16ヶ国に60以上の拠点を有し、世界中の主な半導体メーカーの80%以上がASMLの顧客である。

EUV露光機の製造は難しい?

ASMLの社長はこう言った。「EUV露光機の図面を中国に渡しても、中国は作れない」

小米科技の創業者の雷軍氏もこういった。「プロセッサーの製造は本当に難しい」

レンズ(ミラー)の製造が難しい

EUV露光機内部の極端紫外線レンズ

10枚以上の約直径30㎝のレンズとミラーで極端紫外線反射システムを構成しているが、レンズとミラーの加工許容誤差範囲が極端に厳しい。その誤差範囲がレンズをドイツの国土の面積まで拡大しても、表面の凹凸の誤差が1㎝以下に収まらないといけない。このレンズとミラーはドイツのカール・チャイス(Carl Zeiss)制であり、ASMLへ独占供給している。チャイス制のレンズは100年以上のレンズ研磨技術の傑作である。

温度の制御が難しい

露光中の温度制御要求が厳しく、目標温度に対して、許容誤差範囲は±0.001℃である。(露光中機内は真空状態らしいが、温度に対する厳しい要求の理由は筆者は把握できていない)

30年間研究を重ねて、上記課題をクリアしたASMLが、EUV露光機の世界シェアを独占したのも、当該企業の努力の結晶である。

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